映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」あらすじ

冒頭場面は1951年、空き巣に入られた数学者チューリングの自宅を捜索した警官たちは、自宅にあったおかしな装置とその装置に触れさせようとしない彼の態度に疑問を持ち、ソ連のスパイではないかと疑います。取り調べをしていくうちにスパイではなく、第二次世界大戦中に彼が働いていたブレッチリー・パークでの驚愕の事実を知ることになります。場面は変わって1928年、寄宿学校に通っていたチューリングは変わり者でいじめを受けており、唯一の理解者がクリストファーでした。彼から暗号解読の楽しさを教えてもらい、ほのかに恋心を抱いていた彼にチューリングは告白しようとするのですが、彼は肺炎で亡くなってしまいこのことはやがてチューリングの心に大きな傷跡を残します。それから10年の歳月が流れ天才数学者として知られるようになっていたチューリングは、海軍の下でドイツ軍の暗号機エニグマの解読チームに加わりますが、他人とコミュニケーションが図れない性格は変わっておらず一人孤立してしまいます。新たに加わったメンバーはジョーンという女性でしたが、両親から結婚を条件に情報員の仕事を許すと言われ、彼女の才能を買っていたチューリングは同性愛者でありながら彼女と婚約をします。やがてついにクリストファーと名付けられた暗号解読装置が完成し、なんとか解読に成功し何百万人もの命が救われることになります。しかしチームの協力者が実はソ連に情報を流していたことが分かり、これがきっかけとなりジェーンとの別れがやってきてしまいます。終戦後はチームとの交流も禁止され世間ではエニグマ解読という事実は伏せられたままでしたが、冒頭部分の空き巣事件によりチューリングからの告白によりスパイ容疑は晴れますが同性間性行為での有罪が下されてしまいます。科学的去勢という治療によりチューリングは心身ともに疲弊してゆき、ジェーンの励ましを受けますがやがて41歳という若さで自死してしまいます。

映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」感想

ベネディクト・カンバーバッチの名演技が光る素晴らしい映画でした。この実在の数学者によってエニグマが解読され、ドイツの勢いを封じ込めることが出来たことを考えると、彼の頭脳の高さに驚愕してしまいました。こういった天才は残念ながら往々にして変人で、彼も実際に子供の頃から孤立していたようですが、初めて心を開いた友人、そして恋をした相手が亡くなってしまったことも、その後のチューリングの人間形成に大きく影響を及ぼしていたのかもしれません。キリスト教が一般的なイギリスにおいて、チューリングは無神論者を宣言していたというのは、この事件により子供ながらに彼の心に巣くってしまった絶望や悲しみが消えなかったためではないでしょうか。そしてこれほどの功績が歴史上長く秘密にされていたこと、同性愛が犯罪であったこと、チューリングと同罪で約五万人もの人が有罪判決を受け苦しんだ事実を知り驚きました。また、つい最近、2013年になってようやく英国が正式にチューリングに対して恩赦を発行したことも最後に付記されていて、科学的な去勢治療という仕打ちを受けたことで、あの素晴らしい才能が消えていってしまったことが残念でなりませんでした。